Web版「kyoto子連れパワーアップ情報」デンマーク子育てウォッチングVol.1
デンマーク子育てウォッチング
(この原稿は2003年9月発行の「みんなOK!Vol.3」に掲載されています)

Vol.1 保育ママ制度って?

例年になく暑かった夏も終わり、9月のデンマークはもうすっかり秋です。朝晩は10℃近くまで冷えることもあります。季節はこれからの長い長い冬に向かって動き出したという感じです。8月の1週目に新学期を向かえた子どもたちは、もう新しいクラスメートにも慣れた頃でしょうか。

私は2003年8月から10カ月間、デンマークの子どもたちの学校教育と保育、子育てしている大人たちを支援する仕組みが、どんなふうに作り上げられているかを学ぶためにやってきました。このリポートでは、子どもたちの生活や、子育て中の親を支援する仕組みについて、少しでも紹介できればと思っています。

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【デンマークの教育への興味】

デンマークと言えば、「福祉の進んだ国」として紹介されご存知の方もあるかもしれません。とくに高齢者福祉の分野では、毎年世界各国からたくさんの見学者が押し寄せていると聞きます。私がデンマークの子どもたちの教育や保育に興味を持ったそもそものきっかけは、数年前に訪れたある小学校での、自由でのびのびした教育方法を見たときからでした。それ以来、この国の子どもたちはどんな生活をしているのだろう、学校や保育制度はどうなっているのだろう、という好奇心から、いろいろな本を読んだり調べたりしました。その後20代後半になった私は、自分が日本で子育てすることの、いろいろな面での難しさに気付き始めました。そして、デンマークの子どもの教育や保育だけにとどまらず、子育てしている大人たちを支援する仕組みについても興味が湧き、今に至っています。

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【地域の大人が預かる「保育ママ制度」】

まず第1回目は、保育ママ制度について少し書きたいと思います。これはある一定の期間研修を受けた地域の大人が、自宅で子どもを預かるという制度です。保育ママとはいっても、もちろん男性もなることができるので、「保育ママ」と訳すのは正確ではないかもしれませんが。

デンマークにはもともと、そして現在も乳幼児託児所といって、0歳から3歳までの子どもをフルタイムで預かる保育施設があります。しかし、1960年代頃から多くの女性が外で働き始めたのにともなって、託児所が足りなくなり、地域で幼い子どもを預かる人が必要となりました。保育ママはこの時代に、託児所の臨時として始まった制度です。その後この保育ママ制度は、施設よりも家庭の中で、そして少人数で子どもが育つ良い機会だと考えられ、また自宅の近くで預かってくれるということもあり、今日でも託児所よりもこちらを選ぶ人も多いそうです。

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【「保育ママ」での子どもの過ごし方】

私の友人である保育ママの一人は、現在自宅で3人の子どもを預かっています。彼女の暮らす自治体では、2週間フルタイムの研修を受けた後、3人預かることからスタートします。その後は一人当たり4人預かるのが一般的ですが、14カ月以下の子どもが一人でも入っている場合、人数が減らされるということです。

朝7時半頃から車や自転車に乗って、お父さん、お母さんが子どもたちを預けにやってきます。その後夕方4時半頃まで、子どもたちは保育ママの自宅で過ごします。天気が良い日は散歩に出たり、対面式のゆったりしたベビーカーの中でお昼寝もします。そして週に一度は、近所の保育ママ数人が、子どもたちを連れて集会所のような場所に集まり、一緒に食事をしたり遊ぶ機会もあります。この集まりでは、保育ママ(あるいはパパ)は互いに情報交換をすることもできますし、子どもたちにとっても普段とは違う友達と一緒に遊ぶ機会でもあるようです。この集会所には、自治体から派遣された専門の保育士も立ち寄るので、保育ママたちは保育士と世間話をしながら、子どもの様子について話し合うこともあるようです。

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【親の仕事にかかわらず利用できる】

この保育ママ制度は、親が仕事をしている、いないにかかわらず利用することができます。これは保育ママだけでなく、全ての保育施設でもそうです。というのは、施設を利用するのは親ではなく、子どもだという発想からきているからだそうです。といって親の役割が軽く考えられているわけではありません。次回は親の子育て責任についても書いていければと思っています。

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