
|
2003年12月
Vol.3 個人番号システムの不思議 |
|
|
クリスマスが近づいてきたある日、私は街で財布を落とすというハプニングにあいました。 「どう考えてもあそこのはず!」と、思い当たる所を探してみたのですが、見つかりません。財布の中には幸いあまり現金は入っていませんでしたが、クレジットカードや銀行のキャッシュカードが入っていたので、すぐ交番に届け、カード会社にも連絡しました。財布の中にはその他にも、個人番号が記載されたカードが入っていました。今回はこのカードと個人番号について書きたいと思います。 |
<クリスマスシーズンのコペンハーゲン その1> |
【個人番号システムで情報を管理】
デンマークでは国民一人ひとりが個人番号を持っています。これは始めの6ケタが生年月日、後ろの4桁が通し番号のようなもので、この番号は一度与えられると生涯変更されることはありません。そして、この番号が記載されたカードには、本人の名前、住所も同時に記載され、バーコードでデータが管理されています。このカードはデンマークに在住する全ての人が所持するものです。私もデンマークで住民登録を行なった数週間後、市からこのカードを受け取りました。 このカード、実はデンマークで生活する上で、様々なところに利用されています。まず、図書館で本を借りる時の貸し出しカードになります。各図書館で個別にカードを作るのではないので、どの図書館でもこのカード一枚で本を借りられます。また、銀行の口座を開設する時、携帯電話を買う時など、特に外国人の場合は、住民登録をしていることの証明として必ず提示が求められます。さらに病院での保健証の役割もあります。 |
|
<クリスマスシーズンのコペンハーゲン その2> |
デンマークでは歯科を除く全ての病院での治療が原則無料です。入院、手術代ももちろん無料です。病院では個人番号で診察の予約をし、当日はカードを持参して診察を受けます。これまで受診した治療はこのカードの中に記録されていきます。そして、薬局で薬を買う時も、病院で受け取った処方箋と一緒にこのカードを提示します。すると、本人がこれまでどのような薬をいつ買ったかということが記録されていきます。つまり、デンマークで住民登録しているという証明だけでなく、個人の様々なデータを登録し蓄積するためのものとして使われています。 |
【ふと感じた国民性の違い?】
この個人番号システムについて、私の友人は「例えば処方された薬などを個人の情報として蓄積するので、引越しをして病院が変わっても、また旅先で病気になっても、きちんと引継ぎされるのでよいシステムだ」と話しています。確かにこれまで飲んでいた薬の種類などをデータとして管理するということは、個人ではなかなかできませんし、健康上の大事な問題なので良い点だと私も思います。 しかしその一方で、自分個人の情報がデータとして管理されている、ということに、日本人の私は少し不安な気持ちにもなります。「誰か悪用しないだろうか」とか「知られたくない病気であることを、このカードのデータを見ることで他人に知られてしまう」など、不安はついてまわります。 |
|
|
しかし、デンマーク人からはこのような意見を聞くことは、今のところありません。皆が合意しているのかどうかはわかりませんが、不安よりも実際のメリットが大きいということでしょうか。あるいは制度に対する不安、差別や偏見を恐れるという気持ちが日本の私たちとは違うのかもしれません。先ほどの友人も、データが「管理されている」という表現ではなく、自分自身に関する大切な情報をカードの中に入れているのだ、という表現をしていました。 だれがデータを操作するのか、ということへの意識が、私の想像するものとは違うのだろうか、と考えた一日でした。 |
<クリスマスシーズンのコペンハーゲン その3> |
■デンマークこぼれ話――乳母車編
|
|
![]() |
この乳母車は、しっかりしたタイヤがついており、子どもが寝る篭の下には物が置けるスペースもついています。あかちゃんが、お父さんやお母さんに対面する形で乗れて、また屋根もついているので、天候に左右されず使えるところがいいと思います。 バスへもたたまずに乗ることができます。車内には乳母車用スペース(日本でいうところの電車内の車椅子スペースのようなもの)が、市内のほとんど全てのバスに設置されているので、バスの真中から乳母車ごと乗り込むことができます。最大で2つのスペースが設けてあります。 |
電車のホームにあるエレベータも、2台は乗るぐらいのスペースが確保されています。これは日本でも同じでしょうかね。乳母車を押している人たちも、遠慮することなく、当然のことのようにどんどんバスに乗り込んできます。これだけあたりまえになっていると、「邪魔やなぁ」と思う人も逆に少ないのではないかと思います。 |
|