
|
2004年7月
Vol.9 母親としての役割に不安? |
|
|
なんと25年来の冷夏にあるデンマークでは、7月に入っても日中20度を下回る気温です。せっかくの夏休みも、海は寒くて泳げない状態。下旬になった今では少しずつ「暖かい」日が増えてきましたが、それでも不安定な天気は続きます。夏を求めて南欧の方へ旅行する人も多いとか。とにかく寂しい夏休みです。 それでも最近は薄着の人が多いので、自然にお腹が大きい妊婦さんにも目がいきます。でもワンピースのような妊婦服を着ている人はあまり見かけません。パンツルックだったり、腰ではくスカートとTシャツの組み合わせだったり。大きなお腹をポコンと出して歩いていて、かっこよく見えたりもします。 |
<デンマーク最北端スケーエンにて>
最近ではようやく海にも入れるような |
さて、今日は妊婦さんについてです。Berlingske Tidendeという新聞によると、デンマークで初めて妊娠、出産を経験する女性には、母親になることに不安を持っている人が多く、3つの自治体では、彼女達に妊娠中から支援をする試みを始めたということです。ある自治体の調査では、妊娠中の30%の女性が不安をかかえていて、自治体の助産婦と保健婦が連携して支援をしているといいます。 この不安には、自分の親子関係がうまくいっていなかったことを振り返り不安になったり、良い母親にならなくてはと過度のプレッシャーを自分にかけて悩んだりすることだとか。また、出産をとても楽しみにしていたのに、出産直後に精神不安定になり、夜中に眠れなかったり、子どもをかわいいと思えなかったりすることなどもあげられています。
ある自治体の保健婦は、母親になる女性が必要な援助を受けられない場合、それは彼女だけでなく、子どもにも影響すると言います。そして、子どもは自分からヘルプを求められないので、母親が精神的に安定していないと、子ども自身も問題を自分の中に取り込んでしまう恐れもあると言います。母親が少しでも良くなるには、例えば父親が問題に積極的に関わることも良いと述べています。 しかし、不安の要素には単に母親としてうまくやれない、ということ以外にもあるようです。乳幼児との日常生活では、オムツを替えたり、おっぱいをあげたり、洗濯したり。そういう日常に何の喜びも感じない、というものもあるようです。これについては、「親御さんたちには、子育ては、いつも自然に喜びを感じるというものではないし、いつも子どもに愛情いっぱいというわけにもいかないんですよ、と話している」と言います。彼女によれば、大切なことは問題が大きくなって夫婦関係に影響するまでに、彼女達が言葉で感情を表現できることだそうです。 自治体の中にはこの他にも、病院や理学療法士、助産師、水泳教室、ヨガ教室などと提携した様々な講座や、若い母親を対象とした講座などを提供しているところもあります。また両親で参加する講座などもあります。
子育ては確かに親と子との関係ですが、社会がそこに親としての義務だけを求めるのでは息が詰まってしまうような気がします。息抜きや安心感を持てる機会があるからこそ、喜びも感じられるのではないでしょうか。また、自己の努力だけで問題を解決するということが難しい現代では、小さな問題が複雑で大きくなる前に解決するという、予防方法もとても大切なことだと感じます。
■デンマークこぼれ話――子どものための夏編
|
|
<「子どものための夏2004」> |
長い夏休みには、子どもたちもさすがに退屈します。そんな子どもたちを抱える親も大変です。この期間、私の住んでいるコペンハーゲン市では、子どもと親子のための様々な催しが行われます。 「子どものための夏2004」と題したパンフレットには、60ページに渡り、お祭り、文化、映画、読み聞かせ、音楽とダンス、スポーツ、劇、展示、ワークショップと区分けされたイベントがたくさん紹介されています。カラフルなこのパンフレットは眺めているだけでも楽しい気分になります。 |
このほか、映画祭りなどでも必ず「子ども向け映画」という紹介ページがあります。常に子ども向けの企画があることは、少し大げさですが、子どもも大人とともに社会の中の一員としてしっかり存在しているかのようです。 |
<「お祭り紹介のページ」> |