Web版「kyoto子連れパワーアップ情報」デンマーク子育てウォッチングVol.10
デンマーク子育てウォッチング
2004年11月

Vol.10 公立と私立、どちらを選ぶ?

しばらくお休みしてしまい、久々のデンマーク子育てウォッチングです。今回はデンマークのフリスコーレ
(私立学校)について書こうと思います。

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【フリスコーレは私立学校?】

フリスコーレ(friskole)の最も近い日本語訳は「私立小中学校」です。でも日本でイメージする私立の学校とはかなり様子が違います。と言うのは、フリスコーレは、ある教育目標や理念を持った人たちが一定数集まれば、自ら学校を始めることができるのです。実際、今年もいくつか新しい学校ができていて、現在デンマーク全体では200校以上あります。さらに、学校の設立が認められた場合、学校の運営にかかる費用や学費の一部は、自治体が負担します。例えば、学費については85%ほどが自治体から支援され、保護者の負担は15%で、金額的にもそれほど大きな負担ではないようです。

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【様々な種類の学校】

フリスコーレには様々な種類があるのですが、最も数が多いのがグルントヴィ、コルという、19世紀にデンマークの国民高等学校(フォルケホイスコーレ)を建て、その後のデンマークの民衆教育に大きな影響を与えた2人の思想を受け継いだ学校です。その他には、シュタイナー学校や、様々な特徴を持った学校、そして特定の宗教に重点を置いた学校、例えばカトリックやイスラム教の学校があります(デンマークはプロテスタント)。そして最近では、「エリートスクール」という別名を持つ、特定の優秀な子どもを集めて教育する学校というのができ、話題になりました。

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【なぜフリスコーレを選ぶ?】

日本のような受験制度がないデンマークですが、こうしたフリスコーレに入学する子どもの数が80年代以降増え続けています。2000年代に入ってからは全体の10%の子どもがフリスコーレに通っているという調査結果がありました。この数字は都市部ではさらに上がり、20%ほどの子どもたちがフリスコーレに通っているようです。この背景には、子どもの教育に関心の高い親が、教育理念や、規律がしっかりしていて、さらに少人数制のフリスコーレで子どもを学ばせたいと考えていることがあげられます。また、特に移民が多い地域などの場合、デンマーク人の中にはこのような地域の公立学校に子どもを通わせたくないため、フリスコーレを選ぶということもあるようです。

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【エリートスクールはデンマークらしくない?】

上記のエリートスクールは、これまでのデンマークの学校や、フリスコーレの歴史の中では新しい種類の学校で、新聞やテレビでもよく話題になっていました。というのは、エリートを抜き出して教育する、という風潮がこれまでのデンマークの考え方にあまりしっくりくるものではなかったからのようです。しかし、このエリートスクール、受験勉強のような詰め込み教育をして、学力をさらに高めよう、という趣旨ではないのです。この学校の設立者は「頭の回転が早く、のみ込みが早いようだが、落ち着きがなく、普通の学校で協調性をもってやっていけない、意欲がある時にはじっとしていられず物事に取り組む、パズルのような課題が得意、抽象的に考える…」など20以上もの項目を挙げ、それらに当てはまる子どもたちを対象としています。つまり、もともと例えばIQなどは高いが、それが普段の学校では活かされず、結果、学校生活が楽しめないタイプの子どものために、彼らの行動やタイプにあった形の教育を提供するという、ユニークな趣旨のようです。入学試験などはなく、入学を希望する親子が、学校で面接を受けて入学できるかどうかが決まるそうです。

この学校はやや特別な例ですが、デンマークの公立学校は今、これらのフリスコーレに少しずつ生徒を奪われているようです。日本でも同じ傾向ですが、デンマークほど自由でのんびり、少人数の公立学校でも、やはりそれなりに問題はあるようです。特に最近は、公立での学力保証が不十分なのではないか、という議論がよくあります。そして特に教育熱心な保護者は、自分たちの望む教育をしてくれるフリスコーレを選ぶようです。

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世界一義務教育にお金をかけている、と言われるデンマークの公立学校、しかもそれは皆が払う税金でまかなわれています。今後公立学校は、この課題をどう乗り越えていくのでしょうか。

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