
|
2005年3月
Vol.15 好き嫌いは放っておくべき?!デンマークの夕食時に最もよく食べられているもの、といえばどんなものを想像しますか? デンマーク産のベーコンは日本でもよく見かけますが、やはり「お肉」が多いです。例えば、フリカデーラと呼ばれる肉団子。これは作り方も日本のハンバーグとよく似ています。そのほかにも、スパゲティのミートソース、チキンと野菜を炒めたものなどもよく食べられているそうです。 スーパーなどに行くと、ミンチ肉だと500グラム単位で売っていたり、豚肉も牛肉もとにかく一切れが分厚く切ってあります。薄切りのお肉に慣れている日本人の私としては、どうも一歩引いてしまうような分厚さです。 |
|
|
そして、肉売り場に比べて魚売り場がなんとも貧弱です。豊富なお肉を横目に見ながら、魚の種類の少ないこと。しかもその多くが冷凍もので、お肉に比べて割高でもあります。生では鮭とタラの切り身が申し訳程度に置いてあるのみ。しかもお刺身にできるほどの新鮮さは当然ありません(※)。 そんな環境で育っているデンマークの子どもたちも、そして一部の大人も魚があまり好きではないようです。子どもに限っては、魚は本当に人気がありません。 |
寒さで湖が凍っています。 |
【子どもの好き嫌い デンマーク編】
さて、食事の好き嫌いはどこの国でも見られますが、デンマークでは、親はどんな対応をしているのでしょうか。もちろん家庭によって違うのは当然ですが、傾向のようなものはあります。この国ではずばり「嫌いな物は無理して食べない、食べささない」です。 「夕食時は家族が楽しく会話をしながら食事をするもの。家族の問題について話したり、しつけをする時間ではありません。」とある栄養士は新聞のインタビューで答えています。嫌いな物を無理に食べさせるのではなく、親自身が食事を楽しむことがまず大切といいます。「決して大人が食べる前に、子どもに先に食べさせてはいけません。大人が食べるのを見て、子どもが自分でおいしそうと思うのも大切です」といいます。そして、子どもたちが離乳食を食べられるようになる頃から、少しずつ色々な種類の食べものにふれて、徐々に慣れていくことが大切だとか。 「でも子どもは基本的には新しい物に対して不安を持つので、一度拒否しても、また別の機会に食べさせてみるのもいいでしょう」と彼女は話しています。また、子どもが嫌う食べものを「これは大人向けなんだけど、あなたも食べてみてもいいよ」と言って促すのも手、という研究者もいます。
|
|
寒いけれど気分は春。 |
【自分の意思で食べることが大切】
でも、どうしても子どもが食べない場合はどうするのでしょうか。方法としては「冷蔵庫にある他のもので、晩ご飯としてふさわしいものを食べてもよいとする」や、「食べないと他のものは与えず、後でお腹がすく、という経験をさせる。そして食事時にきちんと(何かは)お腹がふくれるまで食べることを学ばせる」という方法があげられていました。これは間接的に無理強いしているのでは?と思うのですが、要は、「自分の意思で決めて食べる」という事実が大切なようで、親が強要することよりは良いとされているようです。 |
【異文化による価値観の違い】
私は子どもの頃、嫌いだった物でも、一口は食べるようにしつけられました。結果的には今でも好き嫌いは残っていますが、大人になって自然に好きになった物もあります。親に無理に食べさせられたものが全て好きになったわけではない、ということを考えると、無理強いはやはりあまり効果がないのかな、とも思います。でも、栄養の面を考えると、色々なものを子どもの時から、多少無理をしても食べることも大切だと思うのです。一方でデンマークでは、栄養面よりも「子どもが楽しく食べる」ことに重点が置かれているように感じます。「嫌いな物を無理に食べさせない」という価値観を不思議に感じてしまうのは、私だけでしょうか。 ※魚は魚屋で買えば、種類はもちろんスーパーマーケットよりは多いです。それでも新鮮さには、やはり
疑問を感じてしまいます…。
|
|