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パワーアップおすすめブックetc.
「子どもへのまなざし」
児童精神科医 佐々木正美 著
福音館書店
本体価格 1,700円+税
子どもへのまなざし

1998年の7月に初版が出て以来、25刷を重ね、ロングセラーとなっている本書。320ページもある厚い本なのに、思いがけず早く読めてしまうのは、その語り口のわかりやすさと、一貫した著者の温かで優しい気持ちが伝わってくるからでしょう。妊娠中から思春期まで、子どもたちが幸せに成長するために何が必要か、親や保育者がどのようにかかわればいいのかが、素直に心の中に入ってくる得難い本です。

今この社会では、子どもが子どもらしく育っていくことがとても困難になってきています。激変する社会において、身近な数々のエピソードを交えながら、なぜ子どもたちが成長とともに、いろいろな問題や困難を抱えざるを得なくなっていくのか、本書は明確に描き出しています。まただからこそ、子どもたちのためにできることをしてほしいという希望と祈りの本でもあります。そしてそれは、とりわけ親である私たち自身の生き方をも問うものです。でも、そこにはあくまでも親への理解と共感の姿勢が見え、「いいお母さん」になりたくてなれないというジレンマを抱えた多くのお母さん方にも、一筋の光を与えてくれる気がします。

今、友達作りが下手になり、人との間でくつろぐことができない子どもたちが増えてきました。親もまたそうです。危機感を持つ著者は、子どもが社会的に育つためには、自分を信じ、人を信じられるすばらしさを感じてほしいといいます。この本には、「人間」を肯定する温かい視線があふれています。すべての人が自分らしく幸福に暮らせるためには、人とかかわることに喜びをみいだせるかどうかに、鍵があるようです。

「子どもを育てるということは、最高に価値のある、誇りのある仕事」という著者。今一度このことをかみしめ、親である方々にはもちろんですが、大勢の子育てにかかわる方に、ぜひぜひ読んでもらいたい本です。

(丸橋泰子)
続 「子どもへのまなざし」
児童精神科医 佐々木正美 著
福音館書店
本体価格 1,800円+税

本書は、「子どもへのまなざし」を読んだ多くの人たちからの感想や質問に答える形で書かれた続編です。子育て真っ最中のお母さんたちや、保育に携わる人たち、そして小児科医などいろいろな方たちが、「子どもへのまなざし」を読んで質問を寄せています。この続編には、乳幼児期の子どもの育て方についてだけでなく、母性と父性について、あるいは少年が起こす事件の背景にある育児とのかかわりについて、また障害を持つ子どもをどう育てたらいいのか、など様々な質問に臨床経験豊かな著者がわかりやすく答えています。

親として、とても印象に残ったのが、「子どもはひとりひとりえこひいきして育てる」というところでした。「えこひいき」というのは、その子どものいいところだけを感じてあげること。「人間というのはえこひいきされて、力強くなっていく面もある」という著者の言葉が新鮮でした。またしつけは、まずその子どもを受け入れるという母性があってこそ、初めて欠点や弱点を指摘できるという父性が機能するという段に、日常では、先に欠点や弱点を先に指摘してしまう多さを感じ、ハッとしました。

また学習障害(LD)、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、自閉症などの子どもたちへの理解を進めるための特徴などが詳しく書かれ、親や保育者がその子どもたちをどう受け入れていけばいいのかについても多くのページが割かれています。 前作と同じく、全編「子どもを幸せにする喜び」が何よりも大切だという著者の思いが貫かれていて、人として、次代の子どもたちをどう育てるかを考えさせる内容になっています。

(丸橋泰子)
最新現場報告 「子育ての発達心理学」 育つ育てられる親子
清野博子 著
講談社+アルファ新書
本体価格 880円

読売新聞(大阪)教育面に2年にわたって連載されたものに大幅に加筆されたという本書。発達心理学の現場でどんどん明らかになる「とても面白い、わくわくするような新事実」を克明に描き出す筆者の子どもの発達に向ける温かい目がとても印象的です。

生まれたばかりの赤ちゃんがお乳をぐいぐい飲まずに、ちょっと吸っては休むのは、母親から「よしよし」と揺すぶってもらうための空白の時間を用意しているからだなんて。子どもの成長する力がこんなにもすばらしいものだと改めて感じさせる数々の具体的な記述は、子育てへの新鮮な驚きと喜びをもたらしてくれます。一読をぜひお勧めしたい本です。

(丸橋泰子)
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